1. はじめに:なぜ中古農業機械が人気なのか?

農業を続けるうえで欠かせない農業機械。しかし、新品を購入しようとすると、トラクターやコンバインなどの大型機械は数百万円~数千万円と高額になることもあります。そのため、コストを抑えながら必要な機械を導入できる「中古農業機械」に注目が集まっています。
中古農業機械のメリット
- 価格が安い:新品の半額以下で購入できることもあり、初期費用を大幅に抑えられる。
- すぐに使える:新品の場合、納期に時間がかかることがあるが、中古なら即納が可能な場合が多い。
- 型落ちでも十分活躍:数年落ちのモデルでも性能が十分で、農作業に問題なく使えるケースが多い。
このように、中古農業機械はコスト面や導入スピードの面で多くの農業従事者にとって魅力的な選択肢です。
しかし一方で、中古ならではのリスクもあります。例えば、「購入した直後に故障した」「修理に高額な費用がかかる」「想定より早く寿命が尽きてしまった」などのトラブルに遭遇する可能性も。
そこで本記事では、中古農業機械を購入する際に後悔しないための5つのチェックポイントを解説します。ポイントを押さえて賢く選び、安心して中古農業機械を活用しましょう!
2. 中古農業機械を買うときの5つのチェックポイント

2-1. 機械の使用時間・稼働状況を確認する
中古農業機械を購入する際に最も重要なチェックポイントのひとつが、機械の使用時間(アワーメーター)と稼働状況です。これは、機械の寿命や今後のメンテナンスコストを予測するうえで欠かせない情報となります。
使用時間(アワーメーター)の目安
農業機械には「アワーメーター」と呼ばれる稼働時間を記録するメーターが搭載されています。この数値が少なければ少ないほど、使用頻度が低く、劣化が少ない可能性が高いと考えられます。
機種ごとのアワーメーターの目安
- トラクター:2,000~3,000時間以上で交換部品が必要になることが多い
- コンバイン:1,000時間を超えるとエンジンや刃の摩耗が進む
- 田植機・その他の機械:使用頻度が低い機種は500時間程度でも劣化が進む場合がある
ただし、単に使用時間が短ければ良いというわけではありません。低稼働でも長期間放置されていた機械は、メンテナンス不足で不具合が生じるリスクがあるため、慎重な確認が必要です。
稼働状況をチェックするポイント
- 定期的に使用されていたか?
- 長期間放置された機械は、エンジンや油圧系統の劣化が進んでいることがある。
- メンテナンス履歴があるか?
- 適切なメンテナンスが行われていた機械は、使用時間が多くても良好な状態が維持されていることが多い。
- 試運転ができるか?
- 実際にエンジンをかけてみて、異音や振動がないかを確認する。
- タイヤやクローラーの摩耗状況
- 長く使われている機械はタイヤの溝が浅くなったり、ゴムクローラーが劣化している可能性がある。
使用時間が短い機械を選ぶことも重要ですが、それ以上に「どのように使われ、どのようにメンテナンスされてきたか」を確認することが大切です。稼働状況をしっかりチェックし、信頼できる情報をもとに購入を判断しましょう。

2-2. 故障・修理歴をチェックする
中古農業機械を購入する際に特に注意したいのが、過去の故障・修理歴です。見た目がきれいでも、過去に大きな故障をして修理されている機械は、再びトラブルが発生する可能性が高くなります。長く安心して使うためにも、購入前にしっかり確認しましょう。
故障・修理歴を確認すべき理由
- 重大な故障歴がある機械は再発リスクが高い
- 例えば、エンジンやミッションなどの主要部品が過去に修理されている場合、同じ箇所が再び故障する可能性がある。
- 修理の仕方によっては性能が落ちていることも
- 純正部品ではなく、安価な代替部品を使った修理がされていると、耐久性が落ちる場合がある。
- 修理履歴が不明な機械は、購入後に高額な修理費がかかる可能性がある
- 事前に修理歴を知ることで、想定外のメンテナンス費用を防ぐことができる。
故障・修理歴のチェックポイント
1. 販売店や前オーナーに修理履歴を確認する
・信頼できる販売店であれば、修理歴を開示してくれる場合が多い。
・前オーナーが分かる場合は、どのような修理をしたのか、どのくらいの頻度でメンテナンスをしていたのかを聞いてみる。
2. オイル漏れや異音の有無を確認する
・エンジン周辺や油圧システムからのオイル漏れはないか?
・エンジンをかけたときに異音がしないか?
・ギアの切り替えがスムーズにできるか?
3. 塗装のムラや溶接跡がないかチェックする
・一部だけ塗装が新しくなっている場合、過去に破損や修理が行われた可能性がある。
・溶接の跡がある場合は、フレームやアームの破損修理をした形跡があるため注意。
4. 電気系統が正常に動作するか試す
・ライトや計器類が正常に作動するか?
・バッテリーの端子が錆びていないか?
中古農業機械は、新品と違い、それぞれの個体でコンディションが大きく異なります。「過去にどんな修理がされてきたのか」「今後どれくらいの修理が必要になるのか」をしっかり確認することで、購入後のトラブルを防ぐことができます。故障・修理歴を慎重にチェックし、できるだけリスクの少ない機械を選びましょう。

2-3. メンテナンスのしやすさを考える
中古農業機械を購入する際には、メンテナンスのしやすさも重要なポイントです。どんな機械でも長く使うためには定期的なメンテナンスが必要ですが、機種によっては部品が手に入りにくかったり、修理対応が難しかったりする場合があります。購入前に、将来的なメンテナンスのしやすさをしっかり確認しておきましょう。
メンテナンスのしやすさを判断するポイント
①部品の供給状況を確認する
中古の農業機械は、古いモデルほど純正部品の供給が減り、入手困難になることがあります。
特に、エンジン・ミッション・油圧システムなどの主要部品の供給状況はしっかり確認しておくべきです。
【部品供給の確認方法】
・メーカーの公式サイトや販売店で、交換部品の取り扱いがあるかをチェック
・同じ機種を多く扱っている販売店なら、在庫を持っている可能性が高い
・並行輸入品や海外メーカーの機械は、部品が手に入らないことがあるため要注意
②修理がしやすい機種かどうか
農業機械はメーカーや機種によって修理のしやすさに大きな違いがあります。
中古機械を選ぶ際は、「地元の修理業者が対応できるか」も確認しておくと安心です。
【修理しやすい機種の特徴】
・国内メーカー(クボタ・ヤンマー・イセキなど)の定番機種は修理対応しやすい
・シンプルな構造の機械は、自分でも修理しやすく、維持費が安くなる
・電子制御が多い最新モデルは、専門の修理業者でないと対応できないことがある
③地元の整備士・販売店のサポートが受けられるか
万が一の故障時に修理を頼める業者が近くにいるかも、購入前に確認しておくべきポイントです。
【事前に調べておくべきこと】
・最寄りの販売店・整備士が、その機種の修理に対応しているか?
・修理に出す場合の費用感(輸送費など)を確認する
・メーカー保証が切れていても、修理対応してくれるか?
④自分でメンテナンスできる機械かどうか
中古農業機械は、自分で日々のメンテナンスを行うことが前提となります。特に、簡単な点検や整備を自分でできる機種なら、修理費を抑えることができます。
もし自分でメンテナンスをするのが難しそうなら、定期点検をしてくれる販売店で購入するのも選択肢です。
【メンテナンスが簡単な機種の特徴】
・エンジンオイルやエアフィルターの交換がしやすい
・部品の取り外しが簡単で、説明書が分かりやすい
・シンプルな構造で、専用の電子機器が不要なもの
中古農業機械を選ぶ際は、購入後にスムーズにメンテナンスができるかどうかを考えておくことが重要です。
これらをチェックすることで、故障時のリスクを最小限に抑え、長く安心して機械を使うことができます。
2-4. 購入ルートと信頼できる販売店を選ぶ
中古農業機械は、どこで購入するかによって品質やアフターサポートに大きな違いが出ます。信頼できる販売店を選ばなければ、「購入後すぐに故障した」「思っていた状態と違った」などのトラブルに遭遇する可能性があります。そこで、購入ルートごとの特徴と信頼できる販売店の選び方を解説します。
中古農業機械の主な購入ルートと特徴
① 農機具専門店(中古農機販売店)
✅ メリット
・整備済みの機械を購入できるため、故障リスクが低い
・保証付きの販売店もあるので、万が一のトラブルにも対応できる
・購入後のアフターサポートやメンテナンスの相談がしやすい
❌ デメリット
・相場より価格がやや高い場合がある
・取り扱い機種のバリエーションが限られることも

② 農業機械のオークション(オンライン・現地)
✅ メリット
・相場より安く手に入る可能性が高い
・さまざまな種類の農業機械から選べる
❌ デメリット
・整備されていない機械が多く、購入後に修理が必要になる場合がある
・試運転ができない場合があり、状態をしっかり確認するのが難しい
・個人売買の場合、アフターサポートは基本的にない
③ 知人や農家仲間からの購入
✅ メリット
・使い方やメンテナンス履歴が分かるため、安心して購入しやすい
・比較的安価で譲ってもらえることが多い
❌ デメリット
・機械の選択肢が限られる
・取引後のトラブルが発生すると、関係が悪くなる可能性がある
④ ネット通販・フリマアプリ(ヤフオク、メルカリなど)
✅ メリット
・全国の販売者から探せるため、選択肢が広い
・価格が比較的安い
❌ デメリット
・現物確認が難しく、トラブルのリスクが高い
・保証やアフターサービスが基本的にない
信頼できる販売店を選ぶポイント
①販売実績があるか
まず、その販売店がどれだけの実績を持っているかを確認することが重要です。長年にわたって営業している農機具専門店や中古農機販売店は、それだけ多くの取引を行ってきた実績があり、信頼性が高いと考えられます。販売実績がある店舗は、機械のメンテナンスや修理に関するノウハウも豊富で、購入後のトラブルにも柔軟に対応してくれる可能性が高いでしょう。また、過去の購入者からの口コミや評判をインターネットで調べるのも有効です。特に、過去の購入者がどのような評価をしているかを確認し、「機械の状態が説明と違った」「対応が悪かった」などのネガティブな意見が多い販売店は避けるのが賢明です。
②整備・点検をしてから販売しているか
中古農業機械の品質は、販売前の整備や点検が適切に行われているかによって大きく変わります。「現状販売」として売られている機械は、点検や修理がほとんど行われていない可能性があり、購入後すぐに故障するリスクがあります。そのため、販売店に整備・点検の有無を確認し、可能であれば整備記録を見せてもらうことが重要です。信頼できる販売店では、販売前にエンジンの調整やオイル交換、フィルターの掃除などの基本的なメンテナンスを行っていることが一般的です。また、しっかりと整備された機械であれば、購入後すぐに安心して使うことができるため、多少価格が高くても整備済みの機械を選ぶ価値はあるでしょう。
③保証やアフターサポートがあるか
中古農業機械は、新品と違い、どのタイミングで故障するかわかりません。そのため、保証が付いている販売店を選ぶことで、購入後のリスクを軽減できます。保証の内容は販売店によって異なり、「エンジンや主要部品のみ保証」「一定期間内なら無料修理可能」など、条件がさまざまです。購入前に保証の詳細をしっかり確認し、万が一のトラブル時にどのような対応をしてもらえるのかを把握しておきましょう。また、購入後に定期的なメンテナンスを依頼できる販売店なら、長く安心して機械を使い続けることができます。販売後のサポートが充実している店舗を選ぶことは、長期的な視点で見ても非常に重要です。
④ 実際に現物を確認できるか
中古農業機械は、一台ごとに状態が異なるため、できるだけ購入前に現物を確認することが望ましいです。可能であれば、販売店に直接訪れ、エンジンの始動や操作感をチェックすることが重要です。エンジンのかかり具合、異音の有無、オイル漏れがないか、各部品が正常に動作するかなど、細かい点をしっかり確認しましょう。特に、長年使用された機械の場合、外観はきれいでも内部に問題があることもあります。遠方でどうしても現地確認が難しい場合は、販売店に動画や詳細な写真を送ってもらうよう依頼し、できるだけ実際の状態を把握する努力をしましょう。
⑤販売店の対応が誠実か
最後に、販売店の対応が誠実かどうかを見極めることも重要です。購入前に質問をした際に、機械の状態や整備履歴について詳しく説明してくれる販売店は、信頼できる可能性が高いでしょう。逆に、質問に対して曖昧な返答をしたり、故障歴や修理履歴をはぐらかしたりする販売店は注意が必要です。また、価格だけを押し付けるような営業スタイルの店舗も、信頼性に欠ける場合があります。誠実な販売店は、購入後の使用方法やメンテナンス方法についてもアドバイスをくれることが多いため、取引の際の対応をしっかり見極めることが大切です。
2-5. 購入後のサポート・保証の有無を確認する
中古農業機械は新品と違い、いつ不具合が発生するかわかりません。そのため、購入後にどれだけ手厚いサポートを受けられるかが、長く安心して使用するための重要なポイントになります。特に、保証の有無やアフターサポートの内容をしっかり確認することで、予期せぬ故障時の負担を減らすことができます。
保証の有無を確認する
中古農業機械の保証内容は、販売店ごとに異なります。一部の販売店では、一定期間の保証を提供している場合があり、「エンジンやミッションなどの主要部品のみ保証」「購入後1カ月以内なら修理対応可能」など、条件に違いがあります。購入前に保証が適用される範囲や期間を明確に確認し、どのような場合に修理や交換が受けられるのかを販売店に尋ねることが大切です。
また、「現状販売」として保証なしで販売される機械もあります。この場合、故障してもすべて自己負担で修理しなければならず、思わぬ出費につながる可能性があります。少し価格が高くても、最低限の保証がついた機械を選ぶ方が、結果的にコストを抑えられることもあります。
購入後のアフターサポートをチェックする
農業機械は定期的なメンテナンスが必要なため、購入後にどのようなサポートを受けられるかも事前に確認しておきましょう。信頼できる販売店では、以下のようなサポートを提供していることがあります。
- 定期的な点検サービスを実施しているか
- オイル交換やフィルター交換などの基本的なメンテナンスを依頼できるか
- 故障時の修理や部品交換をしてもらえるか
- トラブルが起こった際にすぐに相談できる窓口があるか
特に、農繁期に機械が故障すると作業に大きな影響を与えるため、修理対応のスピードや部品の供給状況を事前に確認しておくと安心です。地元の販売店であれば、万が一の際に迅速に対応してもらえる可能性が高いため、アフターサポートの充実度を重視するなら、地域密着型の販売店を選ぶのも一つの方法です。
保証・サポートの条件を細かく確認する
保証やサポートがある場合でも、その適用範囲には制限があることが多いです。例えば、「通常の使用による故障のみ対象」「消耗品の交換は保証対象外」「持ち込み修理のみ対応」など、細かい条件が設定されていることがあります。これらを事前に確認し、「どこまでサポートしてもらえるのか」「修理費用がどのくらいかかるのか」などを把握しておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
3. まとめ:賢く中古農業機械を選ぼう!

中古農業機械は、新品に比べてコストを大幅に抑えられる一方で、購入後のトラブルを避けるためには慎重な選定が必要です。価格の安さだけで判断するのではなく、機械の状態や購入後のサポートをしっかり確認することが、後悔しないためのポイントとなります。
本記事では、中古農業機械を選ぶ際に注意すべき5つのポイントを紹介しました。
まず、機械の使用時間や稼働状況を確認し、長く安心して使える機種を選ぶことが大切です。アワーメーターの数値だけでなく、定期的なメンテナンスがされていたか、放置されていなかったかなどもチェックすることで、思わぬ故障のリスクを減らせます。
次に、故障や修理歴を確認し、過去に大きなトラブルがなかったかを把握することも重要です。オイル漏れや異音、塗装の違和感などをチェックし、販売店から修理履歴を聞くことで、機械の状態をより正確に把握できます。
また、メンテナンスのしやすさを考えることで、長期的なコストを抑えることが可能です。部品の供給状況や修理のしやすさを確認し、地元の整備士や販売店が対応できる機種を選ぶと、修理時の負担を軽減できます。
購入ルートも慎重に選ぶべきポイントの一つです。信頼できる販売店を選ぶことで、整備済みの機械を手に入れやすくなり、購入後のトラブルを防げます。実績のある販売店で、保証やアフターサポートが充実しているかを確認することが、安心して使い続けるためのカギとなります。
最後に、購入後の保証やサポートの有無を確認し、万が一の故障時に備えることが大切です。保証付きの機械なら修理費用の負担を抑えることができ、アフターサポートが充実している販売店なら、長期間にわたって安心して使用できます。
中古農業機械の購入は、慎重にポイントを押さえて選ぶことで、コストを抑えつつ、長く安定して活用することが可能になります。「価格」「機械の状態」「メンテナンスのしやすさ」「販売店の信頼性」「保証・サポート」の5つのポイントを意識し、賢く中古農業機械を選びましょう!