1. はじめに

春から初夏にかけて、家庭菜園で人気の野菜といえば「スナップエンドウ」。
シャキッとした食感とほんのり甘みのある味わいで、お子さまから大人まで食べやすく、サラダや炒め物など使い道も豊富です。
スナップエンドウは病害虫にも比較的強く、プランターでも育てられるため、家庭菜園初心者にもおすすめの野菜です。
ただひとつ注意したいのが「支柱」の立て方。
ツルを伸ばして育つスナップエンドウは、しっかり支柱を立ててあげることで、風や倒れによるトラブルを防ぎ、収穫量もグンと増えます。
とはいえ、「支柱ってなんだか難しそう」「面倒くさそう」と思ってしまう方も多いのではないでしょうか?
実は、基本のコツさえ押さえれば、支柱の設置はとっても簡単。100円ショップの材料でも代用できる手軽さも魅力です。
この記事では、スナップエンドウの栽培方法の基本と、初心者でもできる簡単な支柱の立て方をやさしく解説します。
ちょっとしたスペースがあればすぐ始められるので、ぜひこの記事を参考にチャレンジしてみてください!
2. スナップエンドウってどんな野菜?
スナップエンドウは、えんどう豆の一種で、さやごと食べられるのが大きな特徴です。
シャキッとした歯ごたえとほんのりした甘さがあり、サラダ、炒め物、和え物など、さまざまな料理に使える万能野菜として人気があります。
見た目は細長く鮮やかな緑色で、実がぷっくりとふくらんでくるのが特徴的。
筋を取るだけでそのまま調理できる手軽さも、家庭で使いやすいポイントのひとつです。
また、スナップエンドウは栄養面でも優秀。
ビタミンCやβカロテン、食物繊維などが豊富で、美容や健康が気になる方にもぴったりの野菜です。
育て方に関しても、比較的気候に強く、春まき・秋まきのどちらでも育てられるため、家庭菜園初心者でも挑戦しやすい野菜として知られています。
ただし、ツル性植物なので、育成には支柱やネットなどを使ってツルをしっかり誘引することが必要不可欠。
この支柱をどう立てるかが、スナップエンドウ栽培のカギになります。
3. 栽培スケジュールと基本情報
スナップエンドウは、比較的育てやすく、失敗しにくい春・秋どちらも楽しめる野菜です。
ここでは、育てる前に知っておきたい「いつ植える?」「どれくらいで収穫できる?」「どこで育てる?」といった基本情報を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
3-1. 栽培カレンダー|春まき・秋まきの2通りがある
スナップエンドウは「春まき」と「秋まき」の2つのタイミングで育てることができます。
地域や気候によって多少前後しますが、以下の時期を目安に考えましょう。
春まき(2月下旬〜3月中旬)
・主に暖かい地域向け(関東以西が目安)
・発芽後の気温上昇とともにぐんぐん成長し、5月〜6月に収穫できます
・春まきは虫がつきやすいため、こまめな観察がポイント
秋まき(10月中旬〜11月上旬)
・全国的に育てやすく、初心者には秋まきがおすすめ
・苗はゆっくり冬越しし、春先に一気に成長して3月〜5月に収穫
・草丈が低めに育つため、支柱が扱いやすく管理もラク
いずれの場合も、「花が咲いてから2〜3週間後にさやがふくらみ収穫できる」流れになります。
3-2. 栽培期間の目安と収穫時期
スナップエンドウは比較的ゆっくり成長するため、種まきから収穫までおよそ3〜4か月かかります。
芽が出るまでは1週間前後、そこからじわじわと草丈が伸びていきます。
開花後はぐっとスピードが増し、ふっくらとした実がどんどん収穫できるようになります。
収穫期には毎日新しい実がつくため、こまめにチェックすることで実の品質がよく、株も疲れにくくなります。
3-3. 栽培に適した環境
スナップエンドウは比較的丈夫な植物ですが、よりよく育てるためには以下のような環境が理想です。
日当たり
・日照時間が1日4時間以上の場所が最適
・日当たりが不足すると、ツルが伸びにくく、花や実のつきが悪くなるため注意しましょう
土と水はけ
・「野菜用培養土」など、水はけの良い土がおすすめ
・地植えの場合は事前に石灰と堆肥を混ぜて弱アルカリ性の土壌に整えるとベスト
プランターでもOK!
・スナップエンドウは地植えはもちろん、プランターでも十分に育てられます
・推奨プランターサイズは、深さ30cm以上・横幅60cm以上が目安
・支柱が必要になるため、ある程度の高さと安定性のある容器を選ぶと安心です
3-4. 気温と育成の関係
スナップエンドウは暑さに弱く、寒さにやや強いという特徴を持っています。
気温が25℃を超えると生育が鈍るため、夏には不向きです。
そのため、春や秋に種をまき、収穫は涼しい時期〜初夏までに終えるのが理想的です。
また、秋まきの場合は、霜対策(不織布などで覆う)が必要な場合もあるため、地域に応じて調整しましょう。
3-5. どこで育てる?おすすめの栽培場所
- ベランダ(日当たりが良い場所)
- 玄関先(プランターを並べやすい)
- 畑や花壇の空きスペース
- 室外機や壁際など、風の通りがありつつ安定している場所が理想です

このようにスナップエンドウは、栽培期間にも余裕があり、スペースや道具もそれほど多くを必要としません。
特に秋まきでスタートすれば、気温も安定していて初心者でも失敗しにくい時期といえます。
4. 準備するもの(初心者向けおすすめセット)
スナップエンドウは、特別な道具がなくても育てられる手軽な家庭菜園野菜です。
ここでは、初心者の方でも安心してスタートできるように、最低限そろえておきたい基本のアイテムをご紹介します。
① プランター(または畑スペース)
スナップエンドウはツルが長く伸びるため、ある程度の深さと幅があるプランターが必要です。
- 推奨サイズ:深さ30cm以上/幅60cm以上
- プラスチック製・通気性の良いタイプがおすすめ
※庭がある方は地植えでもOK!
② 野菜用培養土
市販の「野菜用培養土」を使えば、土づくりの手間が不要で初心者でも安心です。
- 通気性・保水性・排水性がバランスよく整っている
- あらかじめ肥料が配合されているタイプを選ぶと便利です
③ 種または苗(春まき・秋まき用)
スナップエンドウは種からでも苗からでも栽培可能です。
初心者には芽出しの手間がない苗からのスタートがおすすめですが、種まきからチャレンジしたい方にも育てやすい部類の野菜です。
④ 支柱(ツルを誘引するため)
スナップエンドウ栽培には支柱が必須です。
- 長さ1.2〜1.5m程度の園芸支柱(3〜4本)+ネット or ひも
- アーチ型やY字型、100均で揃えられる簡易型でもOK
※支柱は早めに立てることでトラブルを防げます(次章で詳しく解説)
⑤ 園芸用ひも/麻ひも
ツルを支柱に固定したり、ネットに誘引したりするために使用します。
園芸専用のやわらかいひもや、自然素材の麻ひもが扱いやすくおすすめです。
⑥ じょうろ・霧吹き
水やりにはハス口つきのじょうろを使用すると、やさしく水を与えられて苗を傷つけません。
種まき直後などは、霧吹きで軽く湿らせるだけでもOKです。
これらの道具はすべてホームセンターや100円ショップ、通販で手軽にそろえることができます。
最近では「スナップエンドウ栽培キット」なども販売されているので、セットで購入すれば迷わずスタートできるのも嬉しいポイントです。
5. 栽培の基本ステップ|初心者でもできる簡単育て方

スナップエンドウの栽培は、手順を押さえれば意外とシンプル。
ここでは、種まきから収穫までの基本的な流れを、初心者にも実践しやすい形でステップごとにご紹介します。
まずはプランターに鉢底石を敷き、野菜用培養土を8〜9分目まで入れます。
土はあらかじめ軽く湿らせておくと、種まきや植え付けがしやすくなります。
日当たりの良い場所に設置しておきましょう。
【種から育てる場合】
・指で深さ2cmほどの穴をあけ、1か所に2〜3粒ずつまきます。
・間隔は15〜20cmを目安に。
・軽く土をかぶせ、水をたっぷりあげます。
【苗から育てる場合】
・ポット苗の根鉢を崩さずに植え付けます。
・株間は20〜30cmを確保して、根元を軽く押さえ安定させましょう。
発芽したら、元気な芽を1本だけ残して間引きます(双葉が開いた頃)。
その後、植え付けから2〜3週間後に1回目の追肥を行い、月1回ペースで追肥すると◎
液体肥料または化成肥料を規定量で与えてください。
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農園はもちろん、家庭菜園・ガーデニング・ベランダ園芸など、
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水やりは「土が乾いたらたっぷりと」が基本です。
特に花が咲く時期以降は水をしっかり与えることで、さやの成長がよくなります。
※過湿にならないよう注意しましょう。
スナップエンドウはツル性植物なので、支柱の設置が必須です。
ツルが伸び始める前(本葉が3〜4枚)に、支柱やネットを立てて誘引できるようにしておきましょう。
ツルが絡みやすいように、ひもで軽く固定するのも効果的です。
※支柱の立て方は次章で詳しく紹介します。
開花後、さやがふっくらと太り、豆の輪郭がやや見える程度になったら収穫時です。
- やわらかいうちにこまめに収穫することで、株が疲れず次の実がつきやすくなります。
- ハサミで切るか、やさしく手でもぎ取りましょう。
6. 支柱の立て方|簡単&安定!初心者向け支柱ガイド
スナップエンドウは、ツルが伸びながら上に向かって成長する「つる性植物」です。
そのため、ツルがしっかりつかまるための“支柱”がないと、途中で倒れてしまったり、ツル同士が絡まって育ちにくくなったりする原因になります。
支柱を立ててあげることで、ツルが上に向かってまっすぐ育ち、風通しがよくなり、実もきれいに育ちやすくなるため、収穫量や病気のリスクにも大きく影響します。
ここでは、初心者の方でも簡単に設置できるように、「支柱はいつ?どうやって?どれを使う?」という疑問を1つずつ解決していきましょう。
6-1. 支柱はいつ立てればいいの?
支柱の設置は、ツルが伸びはじめる前に準備しておくのが理想的です。
目安としては、本葉が3〜4枚ほどになった頃、または草丈が20cm前後に達したあたりがベストなタイミングです。
この時期に支柱を立てておくことで、ツルが自然と巻きつきやすくなり、支柱にしっかりと根付きながら成長します。
後回しにすると、伸びすぎたツルが倒れやすくなったり、無理に絡めなおす必要が出てくるため、作業の負担が増えてしまいます。
6-2. 支柱の長さと本数はどのくらい必要?
スナップエンドウのツルは、1m〜1.5mほどの高さまで成長します。
そのため、支柱の長さは最低でも1.2m〜1.5m程度を確保しておきましょう。
支柱が短すぎると、ツルが頂点に到達してしまい、その後の成長スペースが足りなくなってしまいます。
また、本数の目安としては、プランター1つに対して3〜4本、地植えで複数株育てるなら5〜6本ほど用意しておくと安心です。
素材は軽くて丈夫な園芸用のプラスチック製支柱(緑色で滑り止め加工されたもの)がおすすめ。
100円ショップでも手に入るので、コスパも抜群です。
6-3. 支柱の立て方3パターン|初心者におすすめの方法
① 縦型(シンプル支柱スタイル)

もっとも基本的でシンプルな方法です。
各苗の横に1本ずつ支柱を垂直に立て、上部を横に棒やひもでつなげることで安定感を高めます。
ツルが成長するに従って、上方向に巻き付く習性を活かして自然に誘引できるのがメリット。
プランター栽培にも最適です。
② アーチ型支柱(トンネル型)

2列に植えたスナップエンドウの間に、湾曲させた支柱をアーチ状に組んでトンネルをつくるスタイルです。
アーチ上部にネットやひもを張ると、ツルが自然に横へ広がって絡んでいくため誘引がとてもラク。
見た目にもおしゃれで、家庭菜園に雰囲気が出ます。
③ ネット支柱スタイル(きゅうりネット活用)

2本の支柱を立て、その間にきゅうり用ネット(または麻ひもを格子状に張ったもの)を設置する方法です。
ネットにツルが自動的に巻きつくので、ひもでの結びつけ作業がほとんど不要になります。
支柱とネットは園芸店や100円ショップで手に入り、初心者でも手軽に挑戦できます。
6-4. ツルの誘引はどうする?
基本的にはツルが自分で支柱やネットに巻きついていきますが、うまく絡まない場合はやさしくサポートしてあげましょう。
その際は、園芸用のやわらかいひもや麻ひもを使い、茎を痛めないように“8の字”で支柱に固定すると◎。
強く結びすぎると茎が締め付けられて傷むため、「軽く添える」くらいのゆとりを持たせるのがコツです。
また、ツルが上にばかり伸びて混雑してきたら、伸びすぎた先端を摘心(先を切る)することで横方向にも広がりやすくなります。
6-5. 支柱を使うことで得られるメリット
支柱は単にツルを支えるだけでなく、以下のようなさまざまなメリットがあります。
- 風で倒れにくくなる(安定性アップ)
- ツルがからまりやすく、管理がラクになる
- 実が地面につかず清潔で、収穫しやすくなる
- 風通しが良くなり、病気やカビの発生を防げる
- 見た目が整い、菜園に立体感と達成感が出る
初心者の方ほど「支柱って難しそう…」と感じがちですが、実際にやってみると意外と簡単で、作業時間も15〜20分程度で完了します。
最初に支柱を立てておくだけで、その後の栽培管理がとてもラクになるので、ぜひしっかり準備しておきましょう!
7. まとめ|支柱さえ立てればスナップエンドウ栽培は簡単!
スナップエンドウは、栽培に特別な技術や大がかりな設備がいらず、家庭菜園初心者でも手軽に育てられる人気の野菜です。
甘みのある味わいとシャキッとした食感で、日々の食卓を彩ってくれる頼もしい存在。
プランターひとつからでも始められるので、ベランダや小さな庭でも気軽にチャレンジできるのも大きな魅力です。
そして何より、スナップエンドウ栽培のポイントは「支柱を立ててあげること」。
この一手間を加えるだけで、ツルがまっすぐ伸び、風通しもよくなり、病気にもかかりにくくなります。
しっかり支柱を用意してあげることで、栽培の手間も減り、収穫量もアップ。育てる楽しさがぐっと広がります。
「難しそう…」と思っていた支柱も、やってみれば意外と簡単。
身近な材料や100円ショップのアイテムでも対応できますし、ツルがからまり始めると、成長を見守るのがどんどん楽しくなっていきます。
スナップエンドウは、育てやすさ・味・栄養・見た目・楽しさのすべてが揃った、家庭菜園の入門にもぴったりな野菜です。
ぜひこの記事を参考に、まずはひと鉢から育ててみてください。
毎朝ツルが伸びる様子を眺めながら、収穫の日を楽しみにする。
そんな小さな幸せが、あなたの暮らしにきっと彩りを加えてくれるはずです。
家庭菜園に挑戦してみたい方へ|シェア農園という選択肢
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