1. はじめに

和食の薬味として定番の「しそ(大葉)」は、爽やかな香りと鮮やかな緑色が料理を引き立ててくれる、まさに“薬味の王様”。
スーパーで購入することもできますが、使い切れずに余らせてしまった…なんて経験はありませんか?
実はこのしそ、プランターを使えばベランダや玄関先などの小さなスペースでも簡単に育てられるんです。必要なときに必要な分だけ収穫できるので、とれたての香りを楽しみながら、無駄なく使えるのが最大の魅力。さらに、しそは虫がつきにくく、生長も早いため、家庭菜園初心者にもぴったりの植物なんです。
この記事では、ベランダでも失敗せずにしそを育てるためのポイントや、プランター栽培の手順を5つのステップでやさしく解説します。
道具の選び方から日々の手入れ、よくあるトラブルと対策まで、はじめてでも安心して育てられる情報をたっぷり詰め込みました。
この夏は、自分の手で育てた新鮮なしそを、毎日の食卓に取り入れてみませんか?

2. しそをプランターで育てる魅力とは?
しそ(大葉)は、香りが良くてどんな料理にも使いやすく、家庭でも大人気のハーブのひとつです。
そんなしそをプランターで育てることには、手軽で実用的なメリットがたくさんあります。
まず注目したいのが、省スペースで始められること。
しそは大きな畑がなくても育てられるので、ベランダや玄関先、キッチンの横など、日当たりの良い場所が少しあれば十分です。プランター栽培なら、虫の被害や雑草管理の手間も少なく、初心者でも気軽に挑戦できます。
次に、料理との相性が抜群なことも魅力のひとつ。
しそは、薬味としてそうめんや冷奴、和え物、天ぷらなど幅広い料理に使えます。しかも、採れたてのしそは香りが格段に違い、スーパーで買ったものでは味わえない新鮮さがあります。
さらに、一度育てれば長く収穫を楽しめるのもポイント。
しそは適切に手入れすれば、1株から数十枚〜100枚以上の葉を収穫できることも。収穫のたびに「また育った!」と感じられる喜びは、家庭菜園ならではの楽しみです。
そして最後に、しそは栽培が簡単で失敗が少ない植物。
土や日当たり、水やりのポイントさえ押さえておけば、虫にも強く、病気にもなりにくいので、忙しい方や初心者にもぴったりです。
手間をかけずに楽しめて、使い道も豊富で、経済的。
しそは、まさにプランター栽培にうってつけのハーブなんです。
次は、実際に栽培を始めるために必要な道具と準備について見ていきましょう。
3. 栽培に必要な道具と準備
しそをプランターで育てるためには、まず基本の道具をそろえましょう。といっても、特別な道具は必要ありません。ホームセンターや100円ショップ、ネット通販で手軽に手に入るものばかりです。
ここでは、しそ栽培に必要なアイテムと、選び方のポイントをまとめました。
①しその種 または 苗
初心者の方には、苗から育てるのが手軽でおすすめです。すぐに植え付けでき、発芽の失敗もありません。
種から育てたい場合は、「青じそ」「大葉」など表記されているものを選び、4月〜6月頃にまくのが最適です。
②プランター
しそは根が浅く、深さ15cm以上・幅40〜60cm程度のプランターがあれば十分です。
- 小型タイプ:1〜2株向き
- 横長タイプ:複数株を育てたい場合におすすめ
底に水抜き穴があるものを選び、通気性・排水性を確保しましょう。
③培養土・鉢底石
土は市販の「野菜・ハーブ用培養土」または「草花用培養土」がおすすめ。
初心者はあらかじめ肥料がブレンドされたもの**を選ぶと、元肥を用意する手間が省けます。
プランターの底には、鉢底石(軽石)を2〜3cm敷いて排水性を高めるのが基本です。
④ジョウロ・スコップ・手袋
- ジョウロ:注ぎ口が細いものだと根元にやさしく水をあげられます
- スコップ:土を混ぜたり、苗を植えるときに便利
- 手袋:作業中に手が汚れたり傷つくのを防げます
⑤防虫対策用品(必要に応じて)
しそは比較的虫に強い植物ですが、アブラムシやバッタなどがつくこともあります。
- 害虫予防に防虫ネットや寒冷紗をかけておくと安心です
- 見つけたときは、手で取る・水で洗い流す・天然系のスプレーを使うなど早めの対処を

4. プランターでのしその育て方|5ステップで解説

しそは育て方がシンプルで、コツさえ押さえれば初心者でもぐんぐん育てられる野菜(ハーブ)です。
ここでは、プランター栽培の基本を5つのステップに分けてご紹介します。
しその種まき・植え付けの適期は4月〜6月。苗から育てる場合は、根鉢を崩さずそのまま土に植え付けます。株同士の間隔は15cmほど確保すると、風通しが良く育ちやすくなります。
種から育てる場合は、しその種は「好光性種子(光が必要な種)」なので、土を厚くかぶせないよう注意が必要です。まいたあとは、乾燥させないようにしっかり水を与えましょう。
ポイント:
・種は1cm程度の浅さでまき、土は軽くかぶせる程度にする
・植え付け後は土を乾かさないように管理する
しそは水分を好む植物です。特に暑くなる季節は乾燥に注意が必要で、土の表面が乾いたらすぐに水を与えましょう。ただし、水のやりすぎは根腐れの原因にもなるため、土の状態をよく観察することが大切です。
また、しそは強い直射日光が苦手なため、「半日陰」の環境が理想的です。午前中に日が当たり、午後から日陰になる場所があればベストです。
ポイント:
・真夏は朝夕2回の水やりが必要なこともある
・強い日差しで葉が焼けることがあるので、適度な遮光を意識する
種から育てた場合、本葉が3〜4枚出たタイミングで元気な苗を1本だけ残して間引きます。苗から育てている場合でも、葉が混み合ってきたら間引いて風通しを良くすることが大切です。
さらに、草丈が15〜20cmになったら「摘心」を行いましょう。摘心とは、先端の芽を摘むことで脇芽の発生を促し、全体の葉数を増やすテクニックです。これを定期的に行うことで、葉の収穫量が格段に増えます。
ポイント:
・摘心をすると横に広がり、収穫量がアップ
・間引きは密集を防ぎ、害虫予防にも効果的
しそは比較的肥料を必要としますが、やりすぎには注意が必要です。元肥入りの培養土を使っていれば、3〜4週間後に最初の追肥を行い、その後は2〜3週間ごとに液体肥料または緩効性肥料を少量与えましょう。
また、葉が混み合ってくると風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなります。ときどき葉の様子をチェックし、混みすぎている部分はハサミで間引いてあげましょう。
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ポイント:
・肥料は少量ずつ、定期的に与える
・葉の状態を見て、間引きや剪定をこまめに行う
しその葉が10枚以上になってきたら、下の葉から順に収穫を始めましょう。こまめに葉を取っていくことで、株に刺激が与えられ、新しい葉が次々と生えてきます。
しそは花が咲くと葉が硬くなり風味が落ちるため、花が咲く前にしっかり収穫するのが長く楽しむポイントです。穂じそ(しその花穂)も食用として使えるので、収穫時期に応じてさまざまな楽しみ方ができます。
ポイント:
・少しずつこまめに収穫することで株が長持ちする
・花が咲く前にしっかり葉を収穫しておくとやわらかくおいしい
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5. よくあるトラブルと対策
しそは比較的育てやすい植物ですが、育てているうちに「葉が固い」「虫に食われる」「発芽しない」といったトラブルに悩まされることも。
ここでは、しそ栽培でありがちなトラブルと、その原因・対策方法をまとめました。
トラブル | 主な原因 | 対策ポイント |
---|---|---|
種が発芽しない | ・種まきが深すぎる ・土が乾燥していた ・日当たり不足 | ・浅くまく(1cm以内) ・乾燥防止の水やりをこまめに ・明るい場所で管理(好光性種子) |
葉がかたくなる/苦みが強い | ・葉が古い ・直射日光が強すぎる ・肥料の与えすぎ | ・早めに収穫してやわらかいうちに食べる ・半日陰に移動 ・肥料は適量を守る |
虫に食べられる(アブラムシ・バッタなど) | ・風通しが悪い ・ネットをしていない | ・混み合った葉を間引いて風通しを良くする ・防虫ネットや寒冷紗で予防 ・手で取る、水で洗い流すなど早期対処 |
葉が黄色くなる/元気がない | ・水不足または水のやりすぎ ・根詰まり ・肥料切れ | ・水やりの頻度を見直す(表面が乾いたら与える) ・2〜3か月に1回は植え替えや土の入れ替え ・追肥を定期的に行う |
ワンポイントアドバイス
しそは「風通し・水やり・こまめな収穫」の3点を守れば、グンと育てやすくなります。
虫がついても慌てずに、早期発見・早期対処ができれば問題ありません。
毎日少しずつ様子を見てあげることで、トラブルも未然に防げますよ。
6. まとめ
しそ(大葉)は、料理のアクセントとしても大活躍するだけでなく、香り・栄養・育てやすさの三拍子がそろった、家庭菜園にぴったりの植物です。
プランターでの栽培なら、ベランダや玄関先などの小さなスペースでも手軽に始めることができ、日々の食卓に“とれたての香り”をプラスできます。
今回ご紹介したように、
- 種まきや苗の植え付け
- 水やり・日当たりの調整
- 摘心や収穫のタイミング
- よくあるトラブルへの対処法
といったポイントを押さえることで、初心者の方でもしっかり育てて、長く楽しむことが可能です。
また、収穫したしそはそのまま使うだけでなく、冷凍保存やしそジュース・しそ味噌などへのアレンジも自由自在。料理好きな方には特に嬉しい家庭菜園アイテムといえるでしょう。
この夏は、ぜひプランターでしそを育てて、“使いたいときに、使いたい分だけ”を収穫できる、ちょっと贅沢な暮らしを楽しんでみませんか?
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