1. はじめに|春菊はプランターで簡単に育てられる!

鍋物やおひたしに香り高いアクセントを添えてくれる「春菊」。
実はこの春菊、ベランダで手軽に育てられる野菜だとご存じでしたか?
「家庭菜園はハードルが高そう」「畑がないと無理そう」と思っている方でも、プランターと土があれば、春菊栽培は意外なほどカンタン。
根が浅くて場所をとらず、発芽から収穫までがスピーディーなため、家庭菜園初心者にもぴったりです。
さらに春菊は、育てる楽しさと食べる楽しさの両方を味わえるのが大きな魅力。
間引きした葉はやわらかくサラダにも使え、収穫時期を少しずつずらせば長期間にわたって新鮮な葉を楽しむことができます。
本記事では、そんな春菊をプランターで育てるためのコツや必要な道具、種まきから収穫までの流れを初心者向けに丁寧に解説していきます。
家庭で育てた採れたての春菊は、香りも味も格別。
ベランダでできる“ちょっと贅沢な食卓づくり”、始めてみませんか?

2. プランター栽培に春菊が向いている理由
春菊は、見た目の繊細さに反してとても育てやすく、ベランダやプランター栽培にぴったりの葉物野菜です。
ここでは、春菊がなぜ初心者にも人気なのか、その理由を3つの視点からご紹介します。
① 根が浅く、省スペースでもしっかり育つ
春菊は根が浅く横に広がるタイプの植物なので、土の深さがそこまで必要ありません。
そのため、深さ20〜25cm程度の標準的なプランターでも十分に栽培可能です。
また、横に広がるように成長するため、プランター1つでたっぷりの収穫が見込めるのも魅力です。
② 病害虫が少なく、管理がラク
葉物野菜の中には虫がつきやすいものもありますが、春菊は特有の香り成分により虫がつきにくい傾向があります。
また、耐病性もあるため、農薬や防虫ネットなしでも育てやすいというメリットも。
育てることに慣れていない方でも、トラブルが少なく成功体験につながりやすい野菜です。
③ 長く収穫できて、間引き菜も美味しい!
春菊は一度の収穫で終わりではありません。株を残して葉だけを切り取れば、再び伸びて何度も収穫が可能です。
また、間引きのタイミングで収穫できる若い葉(ベビー春菊)も、サラダや和え物として美味しく食べられるのがうれしいポイント。
さらに「柔らかめが好き」「香りが強い方が好み」など、収穫のタイミングを自分で調整できるのも、自家栽培ならではの楽しさです。
3. 用意するもの|必要な道具と土・プランターの選び方

春菊をプランターで育てるには、特別な道具は必要ありません。
ごく基本的な家庭菜園グッズと、市販の土やプランターがあればOKです。ここでは、用意すべきものと選び方のポイントをご紹介します。
■ プランター:深さ20cm以上の標準サイズでOK
春菊は根が深く伸びないため、あまり大きなプランターでなくても育てられます。
おすすめは、
- 深さ20cm以上
- 幅60cm前後の長方形タイプ(標準サイズ)
※より多く育てたい場合は、幅広のプランターを選ぶと◎
鉢底には、鉢底ネット+鉢底石を入れておくと排水性がアップし、根腐れ予防にもなります。
■ 土:市販の野菜用培養土がベスト
初心者の方には、あらかじめ肥料がブレンドされている野菜用培養土を使うのが最も手軽でおすすめです。
ホームセンターや園芸店で手に入るもので十分です。
もし自分でブレンドする場合は、以下の割合が基本です:
- 赤玉土(小粒):6
- 腐葉土:3
- バーミキュライト or パーライト:1
ポイントは、水はけがよく、ふんわりと柔らかい土壌にすること。根が張りやすくなり、発芽率も上がります。

■ 春菊の種:時期に合った品種を選ぼう
春菊は「春まき」と「秋まき」の両方に対応できる野菜です。
まき時期は以下の通り:
- 春まき:3月〜5月
- 秋まき:9月〜10月
初心者には、発芽率が高く、葉がやわらかい「中葉種」がおすすめです。
香りが強く、味が濃い「大葉種」もありますが、やや育て方に慣れてから挑戦すると安心です。
■ その他のあると便利な道具
- ジョウロ(細口タイプ推奨):発芽後の水やりで土が崩れにくい
- スコップ:土の準備や植え付け時に使います
- ラベルやネームプレート:まき日や品種を書いておくと管理がラク
- 防虫ネット(必要に応じて):アブラムシやヨトウムシなどの被害が気になる方に
これらの道具がそろえば、春菊のプランター栽培の準備はバッチリです。
次の章では、いよいよ種まきから収穫までの育て方ステップを、初心者向けにやさしく解説していきます。
4. 春菊の育て方ステップ【初心者向けに丁寧解説】

春菊は、正しい手順で育てれば短期間で収穫でき、何度も楽しめるお得な葉物野菜です。
ここでは、種まきから収穫までの流れを6つのステップに分けて、初心者にもわかりやすく解説します。
春菊の種はとても小さく軽いため、風や水で流されないよう注意が必要です。
プランターの表面をならし、条まき(すじまき)またはバラまきで種をまきましょう。
- 条まき:5〜10cm間隔で浅い溝を作り、その中に1〜2cm間隔で種をまく
- バラまき:土の表面全体にまんべんなく薄くまく
その後、土を5mmほどかけて、手のひらで軽く押さえて密着させます。
水やりはジョウロなどでやさしく、土を流さないよう注意しながらたっぷり与えましょう。
気温が20℃前後あれば、3〜5日で発芽が始まります。
春菊は密植すると風通しが悪くなり、茎が細く伸びすぎたり、病害虫の原因になります。
元気な株を育てるためには、段階的な間引きが必要です。
- 【1回目】本葉1〜2枚の頃 → 1か所につき2〜3本残して間引く
- 【2回目】本葉3〜4枚の頃 → 1か所につき1本に間引く(本命を決める)
- 【3回目】株が込み合ってきたら、その都度間引きつつ収穫して食べる
間引きした葉はサラダやおひたしで美味しく食べられます。
※間引く際は、株を引き抜かずハサミで切ると、根が傷まず他の株が育ちやすくなります。
春菊は乾燥に弱く、特に発芽直後〜本葉期にかけては水分をしっかり保つ必要があります。
ただし、常に湿りすぎていると根腐れの原因にもなるため、「乾いたらたっぷり」が基本ルールです。
- 朝か夕方に、土の表面が乾いてきたタイミングで、株元にやさしく水をあげる
- 乾燥しやすい時期は、マルチング(敷きワラやピートモス)で土の保湿を補助するのもおすすめです
とくにプランター栽培では、土の量が少ない分、乾きやすく・水切れもしやすいため、毎日の観察が重要です。

元肥入りの培養土を使っていない場合は、発芽後20日頃から追肥を検討します。
葉が黄色っぽくなったり、生育が遅れているようなら栄養不足のサインです。
- 化成肥料または液体肥料を、株のまわりに少量与える(直接根に当たらないように)
- 与えた後は、軽く土を混ぜて、水をしっかりかける
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農園はもちろん、家庭菜園・ガーデニング・ベランダ園芸など、植物を育てるすべての方におすすめです。
※肥料の与えすぎは、葉が硬くなったり、味が苦くなる原因になるため控えめが◎です。

春菊は種まきから約1か月で食べられるサイズに育ちます。
収穫は1回で終わらせる必要はなく、少しずつ摘み取る「間引き収穫」「若葉収穫」でも楽しめるのが魅力です。
- 草丈が15〜20cm程度になったら、外葉から順に摘み取る
- 中央の芽を残せば、再び新しい葉が出てきて、数回にわたって収穫できる
- 根ごと抜いて収穫する場合は、一気に収穫せず、食べる分だけ少しずつ使うのもおすすめ
※春菊は若いほどやわらかく、香りもまろやかなので、好みのタイミングで楽しめます。
春菊は花が咲くと葉が固くなり、食用には不向きになります。
トウ立ち(花芽が伸びること)が始まったら、なるべく早めに残りを収穫して栽培を終了しましょう。
家庭菜園に挑戦してみたい方へ|シェア農園という選択肢
「野菜や果物を育ててみたいけど、庭や畑がない…」
そんな方には、区画を借りて野菜を育てられる“シェア農園“がおすすめです。
必要な道具も揃っていて、栽培のアドバイスを受けられる農園もあるので、初心者でも安心して始められますよ。
5. よくあるトラブルとその対策

春菊は比較的育てやすい野菜ですが、栽培環境や管理の仕方によっては思わぬトラブルが起きることもあります。
ここでは、プランター栽培でよく見られる失敗例と、スムーズに育てるための対処法を紹介します。
トラブル① 発芽しない・発芽率が悪い
春菊の種がうまく発芽しない原因として、種を深く埋めすぎていたり、土が乾燥していることが多く見られます。
また、気温が低すぎる、古い種を使っているといった要因も発芽率の低下につながります。
対策:
・種は浅くまく(5mm程度)+軽く土をかぶせるだけ
・発芽まで毎日やさしく水やりし、乾燥を防ぐ
・発芽適温(15〜25℃)の時期を選んでまく
・購入から時間が経った種は避け、新しいものを使用
トラブル② 茎がひょろひょろ・間延びする
茎が細く間延びする原因は、日光不足や間引き不足による密植、また肥料の与えすぎによる徒長が考えられます。
対策:
・日当たりの良い場所(1日4時間以上)にプランターを置く
・間引きをしっかり行い、株間5〜7cmを確保
・肥料の与えすぎに注意し、過剰な追肥は避ける
トラブル③ 葉に虫がつく(アブラムシ・ヨトウムシなど)
春菊は比較的虫に強いですが、気温が上がる時期や風通しの悪い環境では害虫が発生しやすくなります。
対策:
・防虫ネットや寒冷紗で虫の侵入を防ぐ
・アブラムシには牛乳スプレーや粘着シートで早期対応
・葉裏まで定期的にチェックして、虫を見つけたらすぐ除去
・ミントなど虫除け植物を近くに置くのも効果的

トラブル④ 葉が苦い・硬い
春菊の葉が硬くなったり苦味が強くなるのは、収穫が遅れたことや日照・肥料のバランスが崩れたことが原因です。
対策:
・若葉〜草丈15〜20cmのうちにこまめに収穫する
・日当たりの確保と、控えめな施肥で育てる
・気温が高い時期の栽培は避け、春や秋の涼しい時期に育てる
トラブル⑤ トウ立ちして花が咲く
春菊は気温の上昇や日照時間の延びに反応して、花芽(トウ)が立ちやすくなります。
一度花が咲くと、葉が硬くなり食味が落ちてしまいます。
対策:
・花芽が上がったらすぐに収穫して終了する
・春先〜初夏はトウ立ちしやすいため、短期での栽培を意識する
6. まとめ|プランター春菊は、気軽に始められて長く楽しめる!
春菊は、香り高く栄養価も高い優秀な葉物野菜。
そして何よりも、プランターひとつで気軽に育てられるという魅力があります。
深さのある大型プランターや特別な土を用意しなくても、深さ20cm以上の標準的な容器と市販の培養土があれば十分。
しかも、種まきから1か月ほどで収穫でき、何度も葉を摘んで楽しめる長期栽培が可能です。
管理の手間も少なく、虫がつきにくいため、初心者が家庭菜園デビューするには最適の野菜ともいえます。
さらに、間引き菜も美味しく食べられるため、「育てながら楽しむ」喜びを実感できるのもポイントです。
たとえば、ベランダの片隅やキッチン前のちょっとしたスペースでも、春菊の緑はしっかりと存在感を放ちます。
日々変化していく姿を眺めながら、料理にすぐ使える“自家製の一品”を育てる喜びをぜひ感じてみてください。
家庭菜園はハードルが高そう…と感じていた方も、まずは春菊から。
きっと、育てることの楽しさ、そして収穫して味わう感動が、日常を少し豊かにしてくれるはずです。
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