1. はじめに|ネギは“水耕栽培”が驚くほど簡単!

「ちょっとだけ薬味がほしい」「買ったネギを無駄にしたくない」——そんなときにぴったりなのが、ネギの水耕栽培です。
実はネギは、土を使わなくても、コップと水があれば簡単に再生栽培ができる野菜。台所や窓辺で手軽に育てられるうえに、育ち方も早く、数日で新しい葉がぐんぐん伸びてくる驚きのスピード感が魅力です。
また、ネギは「リボベジ(リボーン・ベジタブル)」とも呼ばれる再生野菜の代表選手。使ったあとの根っこ部分を捨てずに活用することで、節約にもつながり、エコな暮らしの一歩にもなります。
土も肥料もいらないため、園芸の知識や道具がなくても今すぐ始められ、「家庭菜園なんて難しそう…」という方にもぴったりです。
この記事では、ネギの水耕栽培を初めて行う方に向けて、必要なもの・育て方・失敗しないコツ・活用のポイントまでを丁寧に解説していきます。
毎日の料理に“ちょっと育てたネギ”を加える楽しさ、あなたもぜひ体験してみませんか?

2. ネギの水耕栽培が人気な理由とは?
ネギの水耕栽培は、いまやSNSやテレビでも注目される人気の“再生野菜”のひとつです。中でもネギは、育てやすさ・収穫の早さ・使い勝手の良さのすべてを兼ね備えた、まさに家庭菜園ビギナーにとっての救世主的存在。ここでは、そんなネギの水耕栽培が人気を集めている理由をわかりやすくご紹介します。
理由1:とにかく手間がかからない
ネギの水耕栽培は、土いらず・肥料不要・虫もほとんど寄りつかないという、家庭菜園の“めんどう”をすべて省いた育て方です。
用意するのは、ネギの根元とコップ1つ。それだけで、ぐんぐん成長する姿を楽しめるので、忙しい人でもストレスなく続けられます。
理由2:成長が早く、すぐに収穫できる
ネギは生育スピードがとても早く、早ければ2~3日で芽が出てきて、1週間前後で薬味として使える長さに成長します。
「今日切ったネギが、来週もう一度使える」そんな手軽な循環が楽しめるのも大きな魅力です。毎日の料理にすぐ活かせるので、育てる→使うのサイクルがとてもスムーズです。
理由3:キッチンや室内でも育てられる
日当たりの良い窓辺や台所のすみに置いておくだけで育てられるのも、人気の理由のひとつです。
ガーデニングスペースがない方でも、小さな瓶やグラスで始められるので、インテリア感覚で育てられるのが嬉しいポイント。透明な容器にすれば、根の成長を眺める楽しさも味わえます。
理由4:節約&エコにもつながる
スーパーで買ったネギをそのまま使いきるより、根元を再利用して数回収穫できれば、それだけで立派な節約に。さらに、捨てていた部分を活かすことが、食品ロス削減=環境にやさしい選択にもつながります。
3. 水耕栽培に必要なもの

ネギの水耕栽培の魅力は、特別な道具が一切いらないこと。すべて身近なもので始められるので、思い立ったその日にスタートできます。しかも、ほとんどのアイテムは100円ショップで揃えられるのも嬉しいポイントです。
ここでは、最低限必要なものから、あると便利なプラスαの道具までを紹介します。
3-1. 絶対に必要な基本アイテム
● 容器(コップ・瓶・プラカップなど)
根元が安定して立てられる、底が深めの容器なら何でもOK。透明なグラスや空き瓶なら、見た目もおしゃれで、根の成長も楽しめます。使い捨てのプラカップなどでも十分機能します。
● ネギの根元(5〜6cm残したもの)
スーパーで買った青ネギや万能ねぎの白い部分を5〜6cm程度残してカットし、再利用します。葉の部分は普通に料理に使い、残った根元を再生栽培に使うイメージです。根がついていれば高確率で再生します。
● 水(毎日〜2日に1回取り替える)
特別な水は不要で、基本的に水道水でOK。ただし、容器の水が濁ったり、ぬめりが出てきたりすると雑菌が繁殖しやすくなるため、毎日〜2日に1回は水を交換して清潔を保ちましょう。
3-2. あれば便利なサポートアイテム
● ネット or スポンジ
ネギが倒れやすい場合は、根元を支えるためにスポンジをカットして穴をあけたり、ネットに通したりすると安定します。特に細いネギやプラカップ使用時におすすめです。
● アルミホイル
根元が日光に当たると水の劣化が早まりやすく、藻が発生することも。容器にアルミホイルを巻くことで、光を遮って水質を保つ効果があります。
● 液体肥料(必要に応じて)
2〜3回目以降の再生では栄養不足になることもあるため、水にHB-101などの液体肥料を薄めて加えると生育が安定します。必須ではありませんが、長く育てたい方にはおすすめです。
天然植物活力液「HB-101」を使用すると、育たなかった果実、枯れてしまった花の数が減り、収穫率がアップ。
栽培のコストパフォーマンスが上がり、生産者としての喜びもアップします。
4. ネギの水耕栽培の始め方【やさしくステップ解説】

ここからはいよいよ実践編。ネギの水耕栽培は、「切ったネギの根元を水に浸けるだけ」と言っても過言ではないほど簡単ですが、ちょっとしたポイントを押さえるだけで、より元気で長持ちするネギを育てられます。
初心者でも迷わず育てられるよう、5つのステップに分けて詳しくご紹介します。
まずは、スーパーなどで購入した青ネギや万能ねぎを準備しましょう。料理に使う際、白い根元から上の部分を普段通りに切り取り、根元を5〜6cm程度残すようにカットします。この残した根元部分が、水耕栽培で再生するパーツになります。
重要なのは、根がついていること。パックによっては根が切られているものもあるため、可能であれば根付きのネギを選びましょう。白い部分の内側に芯が残っていれば再生可能なこともありますが、根がしっかりついているほうが、より確実に育ちます。
次に用意した容器(コップや空き瓶など)に水を入れ、ネギの根元をまっすぐ立てるようにして入れます。水の量は、根元がしっかり浸かるくらいでOK。多すぎると腐りやすくなるため、根の下1〜2cmが浸かる程度がベストです。
ネギが容器の中で倒れてしまう場合は、スポンジやネットで支えたり、容器にアルミホイルを巻いて固定したりすると安定感が増します。
また、容器は必ず清潔な状態で使用してください。ぬめりや雑菌があると根腐れの原因になります。
ネギは日光が大好きです。可能であれば、東〜南向きの窓辺など、1日3〜4時間以上の光が差し込む場所に置きましょう。
ただし、真夏の直射日光は水温が上がって根が傷む原因にもなるため、暑い時期はレースカーテン越しの日差しや半日陰の場所が理想的です。
室温に関しては、10℃以上あれば安定して成長します。冬場に室温が低すぎる場合は、屋内の暖かい場所に移動させましょう。逆に夏場は、水が傷みやすいためよりこまめな水替えが必要になります。
水耕栽培でもっとも大切なのが水の管理です。水が濁ってきたり、根にぬめりが出たりすると、そこから腐敗が進んでしまいます。
そのため、水は最低でも2日に1回、できれば毎日交換するのが理想です。
水を替えるタイミングで、容器の内側やネギの根元も軽く洗ってあげましょう。ぬめりを感じたらスポンジなどでやさしく拭き取ります。これを習慣にすることで、清潔な環境が保たれ、ネギがぐんぐん元気に伸びていきます。
ネギの生育スピードはとても速く、条件が良ければ2〜3日で芽が出始め、5〜7日ほどで5〜10cmほどの長さに伸びてきます。
この頃から、必要に応じて上の部分をキッチンバサミなどでカットして使いましょう。
収穫のコツは、根元を残して外側から少しずつカットすること。すべてを一度に切り取ってしまうと再生が遅れることがあります。何度か繰り返すうちに再生力が落ちてくるため、2〜3回を目安に育てて、あとは新しいネギに切り替えると無理なく続けられます。
家庭菜園に挑戦してみたい方へ|シェア農園という選択肢
「野菜や果物を育ててみたいけど、庭や畑がない…」
そんな方には、区画を借りて野菜を育てられる“シェア農園“がおすすめです。
必要な道具も揃っていて、栽培のアドバイスを受けられる農園もあるので、初心者でも安心して始められますよ。
5. よくあるトラブルと対処法

ネギの水耕栽培はとても手軽ですが、管理がシンプルだからこそ見落としやすいトラブルもあります。ここでは、初心者がつまずきやすい3つのトラブルと、それぞれの原因・対処法を解説します。
トラブル①|水が濁る、ぬめりが出る
もっともよくあるトラブルが、水の濁りやぬめりです。これは、水の中で雑菌が繁殖したり、日光によって藻が発生したりすることが原因で起こります。特に水の交換が不十分な場合や、容器が汚れている場合は起こりやすく、夏場など気温の高い季節には短期間で悪化することもあります。
対処法:
・水は毎日〜2日に1回交換する
・容器は中性洗剤で週1回は洗う
・アルミホイルや紙で容器を包み、光を遮る工夫をする
トラブル②|ネギが倒れてしまう、まっすぐ立たない
水に挿してしばらくすると、ネギの重さで倒れてしまったり、成長するうちに真っ直ぐ立てなくなったりすることがあります。これは、容器の口が広すぎてネギをしっかり支えられていなかったり、根元が水に浸かりすぎて柔らかくなり、ぐらついていることが主な原因です。
対処法:
・スポンジやネットを活用して根元を支える
・ペットボトルの口やストロー穴など、細口の容器を選ぶと安定しやすい
・根元が水に浸かりすぎて柔らかくなっていないか確認する
トラブル③|全然育たない・途中で成長が止まる
初めは順調に伸びていたネギが、急に成長を止めたり、葉がしおれてしまうこともあります。これは、日当たりが足りなかったり、気温が低すぎたりといった栽培環境の影響に加え、再生を繰り返すうちに根の力が弱まってくることも原因です。また、水だけで育てていると、2回目以降は栄養が不足してしまうこともあります。
対処法:
・日当たりのよい場所へ移動(冬は室内、夏は午前中の光がベスト)
・液体肥料を水に数滴加える(再生2回目以降に有効)
・3回以上収穫している場合は、新しいネギで栽培を再スタート

ほんの少しの気配りで、これらのトラブルは十分に防げます。ネギの水耕栽培は、毎日の小さな変化に目を向けることで、より楽しく、より長く続けることができる育て方です。
6. ネギの水耕栽培をもっと楽しむコツ
ネギの水耕栽培は、育てる楽しさと実用性を両立できる、まさに“生活の中の小さな農園”。ここでは、より長く・よりおしゃれに・より快適に楽しむための工夫やコツをご紹介します。
6-1. 再生できるのは何回まで?見極めのポイント
ネギは再生を繰り返すごとに、少しずつ成長スピードが遅くなったり、葉が細くなったりしていきます。おおよそ2~3回の再生が限度とされており、それを過ぎると根の力が弱まり、うまく再生しなくなります。
再生の限界が近づくと…
- 葉の伸びが明らかに遅くなる
- 出てくる葉が極端に細くなる
- 根元にぬめりや変色が見られる
このような兆候が出たら、無理に再生を続けるよりも、新しいネギに切り替えるタイミングと捉えましょう。
6-2. 料理に使うときは「外側から少しずつ」が基本
ネギが育ってきたら、使いたい分だけをハサミで外側の葉から1本ずつカットするようにしましょう。内側の中心部分には次の芽が控えているため、そこを傷つけずに収穫することで、長く繰り返し使える株になります。
また、根元を少し残すようにカットすれば、さらに伸びやすくなります。
6-3. 容器にこだわって“見せる水耕栽培”に
せっかくキッチンや窓辺に置くなら、容器も楽しみのひとつ。透明なグラスや瓶を使えば、ネギの根の成長が見えて育てる楽しさが倍増します。ジャムの空き瓶、ミルク瓶、調味料のガラス容器なども活用できます。
さらに、
- アルミホイルや麻ひもで巻いて見た目をカスタマイズ
- ネームタグやミニチョークプレートを添えて“育てる雑貨”に
といった小技で、水耕栽培をインテリアとしても楽しむことができます。
6-4. 土栽培への切り替えもおすすめ
「もっとしっかり育てたい」「再生限界が近いけどまだ使いたい」そんなときは、水耕栽培から土への切り替えも可能です。ネギはもともと畑でも育てやすい野菜なので、プランターや花壇に植え替えれば、さらに長く・太く・風味豊かに育てることができます。
- 根元がしっかりしているうちに土へ移す
- 水耕に比べて手間はかかるが、収穫量や期間が大幅にアップ
- 肥料や日当たりの管理を加えると、本格的な家庭菜園に

水耕栽培は、手軽であることが最大の魅力ですが、少しだけ工夫を加えるだけで見た目も、味わいも、暮らしの楽しみもぐっと広がります。
自分のペースで、気軽に“育てる生活”を続けてみましょう。
7. まとめ|水耕栽培ならネギは“簡単・楽しい・お得”!
ネギの水耕栽培は、想像以上にシンプルで、想像以上に楽しい家庭菜園の第一歩です。
コップと水、そして料理に使ったあとのネギの根元があれば、その日から始められる手軽さが大きな魅力。育てるのに特別な道具も知識も必要なく、数日で目に見えて成長するワクワク感が、毎日の生活にちょっとした彩りを添えてくれます。
また、育てたネギはそのまま料理に使え、余れば冷蔵保存や冷凍もできるなど、食卓と直結した実用性も抜群。節約にもつながり、食品ロスも減らせる――まさに“育てて得するエコな習慣”です。
トラブルが起きても、水を替えたり、日当たりを見直したりするだけで、ぐんと元気を取り戻す強さもネギの魅力のひとつ。
インテリアとして楽しんだり、再生限界がきたら土に植え替えたりと、自分なりのスタイルで自由に育てられるのも、水耕栽培のいいところです。
「ちょっとやってみたいな」から、「もう一株育ててみようかな」へ。
ネギの水耕栽培は、きっとあなたの暮らしにやさしい緑とちいさな楽しみを運んでくれます。
まずは、次の料理でネギを切るその瞬間から、始めてみてください。
節約上手はもう始めてる!“賢い野菜サブスク“活用術
野菜をムダなく使い切りたい、食費を抑えたいという方には、自分に合った野菜サブスクの活用もひとつの方法です。
コスパやライフスタイルに合わせた選び方をまとめたガイドはこちら。
