サツマイモ栽培の土作り完全ガイド|初心者でも失敗しない基本とコツ

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目次

1. はじめに|サツマイモ栽培は「土作り」が成功のカギ

さつまいも

秋の味覚として人気のサツマイモ。家庭菜園でも育てやすい作物として知られていますが、実は土作りが成功を左右する非常に重要なポイントになっています。

サツマイモは比較的丈夫な植物ですが、土の状態によって収穫量やイモの太り方、甘みが大きく変わります
ふかふかで水はけがよく、かつ養分が多すぎない土を用意できれば、初心者でも甘くて大きなサツマイモを収穫することが可能です。逆に、土作りを間違えてしまうと、ツルばかりが伸びてイモが太らない「ツルぼけ」や、イモが腐るなどのトラブルを招きかねません。

特別な技術がなくても、正しい土作りの基本を押さえれば、家庭菜園でもサツマイモ栽培はぐっと成功に近づきます
この記事では、これからサツマイモを育ててみたいという方に向けて、失敗しないための土作りのコツをわかりやすく解説していきます。

まずは、サツマイモ栽培に適した土の特徴から確認していきましょう!

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2. サツマイモ栽培に向いている土壌とは?

サツマイモを元気に育てて、甘くて大きなイモを収穫するためには、適した土壌環境を整えることがとても重要です。
サツマイモは野菜の中でも特に土の質に敏感な作物なので、まずはどんな土が理想的なのかをしっかり押さえておきましょう。

① ふかふかで水はけの良い土

サツマイモは、湿気を嫌う植物です。
土に水分がたまりすぎると、根が酸欠を起こして腐ったり、病気になったりするリスクが高まります。
そのため、水はけがよく、なおかつ根がのびのびと伸びられる柔らかい土が理想です。

土が硬かったり、粘土質だったりする場合は、堆肥や腐葉土をたっぷりと混ぜ込んで、ふかふかとした通気性の良い土壌に改良しましょう。

② 肥料分が少なめの「やせ地」を好む

意外に思われるかもしれませんが、サツマイモはあまり栄養分が豊富すぎる土を好みません
元肥をたくさん入れすぎると、葉やツルばかりが旺盛に育ってしまい、肝心のイモが育たない「ツルぼけ」という状態になってしまいます。

サツマイモには、肥料分が控えめなやせた土地くらいがちょうど良いのです。
「最小限の元肥+土の質を整える」という意識で、土作りを行いましょう。

③ pH5.5〜6.5程度の弱酸性がベスト

サツマイモは、やや弱酸性の土壌(pH5.5〜6.5)を好みます。
日本の一般的な畑土なら、ほぼこの範囲に収まっていますが、もし酸性が強すぎる(pH5.0以下)場合は、苦土石灰をまいて中和しておきましょう。

簡易pH測定器を使えば、家庭でも土の酸度を簡単にチェックできるので、できれば一度確認しておくと安心です。

3. サツマイモ向け土作り【基本ステップ】

サツマイモ向け土作り【基本ステップ】

サツマイモは、植え付け前にしっかりと土作りをしておくことで、収穫の成功率がぐっと上がる作物です。
ここでは、初心者でも実践しやすいサツマイモ用の土作り手順を、ステップ形式でわかりやすく紹介します。

STEP
植え付け2〜3週間前から土の準備を始める

サツマイモ栽培は、植え付け予定日の2〜3週間前から土作りを始めるのが理想です。
土の酸度調整や、有機物のなじみには時間がかかるため、早めの準備がポイントになります。

STEP
苦土石灰を施して酸度調整する

まず、苦土石灰を1㎡あたり100g程度まき、よく耕して土と混ぜ合わせます
これにより、酸性に傾きすぎた土壌を適正な弱酸性(pH5.5〜6.5)に調整し、根の健全な生育をサポートします。

※苦土石灰をまいたら、1〜2週間は寝かせること。すぐに堆肥や肥料を入れると化学反応を起こしてしまうため、時間を置くことが重要です。

STEP
堆肥や腐葉土をすき込んで土をふかふかにする

苦土石灰でpH調整が済んだら、次に堆肥や腐葉土をたっぷりすき込みます

目安は、

  • 堆肥:1㎡あたり2〜3kg程度
  • 腐葉土:土の2〜3割程度

土の中に有機物を加えることで、水はけ・通気性・保水性のバランスが良い、ふかふかの土が出来上がります。

STEP
元肥は控えめに施す

サツマイモは肥料分をあまり好まないため、元肥はごく控えめに施すのがポイントです。
もし使う場合は、

  • 完熟堆肥由来の自然な肥料
  • または窒素分が少なめの緩効性肥料を少量だけ

を選び、1㎡あたり軽くひと握り程度に留めましょう。
元肥を入れすぎると、葉やツルだけが茂ってしまうツルぼけの原因になります。

STEP
高めの畝(うね)を立てる

最後に、水はけを良くするために30〜40cm程度の高めの畝(うね)を作ります。
サツマイモは排水性の悪い環境が苦手なので、畝を高く立てて、雨の後でも土に水がたまらないようにしてあげることがとても大切です。

また、畝幅は70〜80cm程度確保すると、植えた苗がしっかり広がり、根もよく張ります。

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そんな方には、区画を借りて野菜を育てられる“シェア農園“がおすすめです。
必要な道具も揃っていて、栽培のアドバイスを受けられる農園もあるので、初心者でも安心して始められますよ。

4. サツマイモ栽培でやってはいけない土作りミス

サツマイモ栽培でやってはいけない土作りミス

サツマイモ栽培は比較的簡単に見えますが、土作りのミスがそのまま収穫結果に直結してしまうデリケートな面も持っています。
ここでは、初心者が陥りやすい土作りの失敗例と、その注意ポイントを紹介します。

4-1. 肥料を入れすぎるとツルぼけになる

サツマイモは、土の養分が多すぎると葉やツルばかりが旺盛に育ち、イモが太らなくなってしまいます
これがいわゆる「ツルぼけ」という現象です。
とくに元肥をたっぷり施してしまうとツルばかりが茂り、肝心のイモがほとんど育たないという残念な結果になりがちです。

元肥は控えめに。少なすぎるくらいでちょうどいいと覚えておきましょう。

4-2. 水はけが悪いとイモが腐りやすい

サツマイモは、湿気が続くと根腐れや病気を起こしやすい作物です。
排水性の悪い土壌では、せっかくできたイモが腐ってしまったり、病気にかかって収穫量が大きく落ちてしまいます。

土に腐葉土や堆肥をたっぷり混ぜてふかふかにし、高い畝を立てることが大切です。
特に梅雨時期や雨が多い地域では、畝作りは慎重に行いましょう。

4-3. 土が硬いとイモが太れない

サツマイモの根は、柔らかく深い土を好んで伸びる性質があります。
土が硬かったり、粘土質だったりすると、根がうまく張れず、イモが細くなったり、十分に肥大できなかったりすることがあります。

よく耕して、しっかり土をほぐしておくこと。
また、腐葉土や堆肥で通気性と柔らかさを確保することが、太く大きなサツマイモを育てるためには欠かせません。

サツマイモ栽培は、特別な肥料や手間をかけるよりも、「シンプルで基本に忠実な土作り」を徹底することが成功の秘訣です。

5. プランター栽培の場合の土作りポイント

庭や畑がなくても、プランターを使えば手軽にサツマイモ栽培を楽しむことができます
ただし、地植えと違ってスペースが限られるため、土作りには少し工夫が必要です。ここでは、プランターでサツマイモを育てる際の土作りのポイントを解説します。

◆ 市販の「野菜用培養土」でOK

プランター栽培の場合、基本的には市販の「野菜用培養土」を使えば大丈夫です。
ただし、注意したいのは肥料分が控えめなタイプ
を選ぶこと。
元々肥料がたっぷり配合された培養土だと、ツルぼけを起こしてしまうリスクが高まります。

→ 商品パッケージに「追肥が必要」などと記載されている、肥料分が控えめな培養土を選びましょう

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◆ 深さ30cm以上の大型プランターを使う

サツマイモは、根を深く広く伸ばしてイモを太らせる作物です。
浅いプランターではイモが十分に育たないため、深さ30cm以上、容量30L以上の大型プランターを選びましょう。

横幅も広め(60cm以上あるとベター)を選ぶと、根がのびのび広がり、イモも太りやすくなります。

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◆ 鉢底石を敷いて排水性をアップ

プランター栽培では、水はけの確保がとても重要です。
必ずプランターの底に鉢底石を2〜3cm程度敷き詰めてから、培養土を入れるようにしましょう。
これにより、土の排水性が高まり、根腐れや過湿による病気を防ぐことができます。

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◆ 元肥はごく少量にとどめる

プランターの場合も、サツマイモは肥料控えめが鉄則です。
もし培養土に元肥が入っていない場合でも、元肥は控えめに施すのがポイントです。
少量の緩効性肥料(ごく軽くひとつまみ程度)を土に混ぜ込むくらいで十分です。

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6. 初心者におすすめ!サツマイモ用土づくり資材

サツマイモ栽培に適した土を作るためには、いくつかの資材を上手に活用することがポイントです。
ここでは、初心者でも使いやすく、失敗しにくいおすすめ資材を紹介します。

① 苦土石灰|酸度調整に必須

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苦土石灰は、土の酸性を中和し、サツマイモが育ちやすい弱酸性に整えるために欠かせない資材です。
植え付けの2〜3週間前に、1㎡あたり約100gを目安にまき、よく耕して土に混ぜ込みましょう。

苦土石灰を施すことで、根の張りが良くなり、イモの太りも安定します。

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② 完熟堆肥|土をふかふかにする

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完熟堆肥は、土を柔らかくし、通気性・排水性を高めるために非常に効果的です。
堆肥を加えることで、イモが伸びやすいふかふかの土が作れます。
施用量の目安は、1㎡あたり2〜3kg程度。完熟タイプを使うことで、未熟堆肥による根傷みのリスクも防げます。

③ 腐葉土|保水性と通気性を向上

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腐葉土は、土の粒子同士をつなぎ、ほどよい保水性と通気性を持たせる役割を果たします。
堆肥と一緒に混ぜることで、よりふかふかでイモが育ちやすい土になります。
腐葉土は土の2〜3割程度を目安に混ぜ込むと効果的です。

④ プランター栽培なら「軽い野菜用培養土」

プランター栽培の場合は、堆肥や腐葉土を自分で配合するのが難しいこともあります。
そんなときは、軽量で水はけの良い野菜用培養土を選びましょう。

  • 肥料分控えめ
  • 通気性・排水性が高い
  • pH調整済み

この3点を満たしているものなら、サツマイモ栽培にも十分対応できます。

これらの資材を上手に活用して、ふかふかで水はけが良く、肥料分控えめな理想の土を作りましょう!
最後に、この記事全体をまとめながら、サツマイモ栽培成功へのポイントを振り返っていきます。

7. まとめ|土作りから始めて、おいしいサツマイモを収穫しよう

サツマイモ栽培を成功させるためには、最初の「土作り」が何よりも大切です。
ふかふかで水はけが良く、栄養分が控えめな土を用意できれば、特別な技術がなくても、甘くて大きなサツマイモを育てることができます。

今回ご紹介したように、

  • 苦土石灰で酸度を調整する
  • 堆肥や腐葉土をたっぷりすき込んで土を柔らかくする
  • 肥料分は控えめにしてツルぼけを防ぐ
  • 排水性を高めるために高めの畝を作る

この基本を押さえるだけで、サツマイモ栽培の成功率は大きくアップします。

また、プランター栽培でも土作りのポイントを押さえれば、家庭で手軽にサツマイモ栽培を楽しむことができます。
初心者の方でも、ちょっとした準備と工夫で、秋にはたっぷりと実ったサツマイモを収穫する喜びを味わえるはずです。

土作りから、栽培は始まっています。
ぜひ今年は、しっかりと準備をして、おいしいサツマイモをたくさん育ててみてください!

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